代償
「なるほどね」
凜音さんが頷く。
隣にはユートさん。
キャーラは警察の仕事らしい。
………警察官だったんだ。
………だっけ?

「あの上時総長が同棲で一緒にご飯?」
「なんかもう、凄いよね。素晴らしい」
………そう?
上時は総長って皮被った一般人だよ。

『ああ、これ旨い。何だこれは』
フツーな感想。
『いいダシだな。鰹節か?』
………へ?
………煮干だよ。
どっか外れてるよ。
上時さん。

「今日は何を作るの?」
………うーん。
レパートリーが少ないから、すぐ一巡しちゃう。
………どうしたものか。
「本、買ってみたら?」
………本?
「日本食の。少しはレパートリーが増えるんじゃない?」
なるほどね。
確かに。
本なら、色々載ってるはず。
「本屋に行くか」
ユートさんが提案して、
「文香ちゃん、どうする?」
凜音さんが問う。
もちろん、
「行くよね」
頷いた。

少しでも、レパートリーが増えれば。
上時が飽きずに済むかな。
………うーん。
………大体にして。

上時は何の味覚が分からないの?
感じないの?
甘い、辛い、しょっぱい、酸っぱい、苦い………。
どの味覚が分からないの?
不思議だよ。
………コーヒー飲んで、美味しい。
日本食食べて美味しい。
………何食べたら不味いっていうわけ?
あ、味噌と醤油か!

………え?
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