桜雨〜散りゆく想い〜
 白木さんの言葉が頭の中で響いた。


 遺影は香の父親であろう、優しい顔をした男性。やはり香とどこと無く似ている。


 そしてもう一枚に写っていたのは――


 「香ちゃん……」


 再会したあの日と同じ笑顔で、同じ制服に身を包んだ香だった。


 僕は力が全て抜けたようにその場に膝をついた。


 「去年の夏休みの最後の日曜日だったの――家族旅行からの帰り道、高速道路で……」


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