僕ヲ愛シテ

好きなんだよね?

痛い。



痛い痛い痛い痛い痛い痛い。



全身の骨が軋んでギシギシと音がする。


もともと華奢で164cmに48kgしかなかった僕も、たった5年で39kgにまで落ちた。


「おい」

「……はぃ…」

「お前よぉ、誰のおかげで大学通えでんだ?ああッ?」

耳元で怒鳴られて耳鳴りがする。

「…せ、せんぱぃッ…のおかげです…」

「したらなして言うごと聞けねーんだ?男さも女さも愛嬌振りまいでんでねぇどこの女男がッ」

そう言って僕の鳩尾を蹴り上げる。

しかも向こうは靴を履いていて、僕は裸。ダメージはかなり大きい。

「かはッ……ごめ、なさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいぃぃぃいぃい!」

訳がわからなくなった。
なんで僕はこの人に殴られてるんだっけ。

なんで僕はこの人と付き合ってるんだっけ。

初めは凄く優しかったのに。
愛を求めすぎたのかな。


「ごめんで済むんだらマッポいらねんだわ」


地元が北海道で、両親がいないっていう共通点だけで出来上がった関係。

なんで僕は…この人に愛を求めてしまったんだろう。

でも、今さら普通の恋愛を求めるつもりはない。



先輩には僕が必要なんだ。
僕も多分先輩が必要なの。






「…うっ…あ…痛っ…」

暴力の後は慣らしもせずに後ろに入れられて、終わったら急に優しくなる。


「真咲…好きだよ。ごめんね」


そう言って笑顔を見せられたら、


何も言えなくなる。




先輩…本当に僕の事好きなんだよね?
< 2 / 25 >

この作品をシェア

pagetop