僕ヲ愛シテ

4人の…男の人?

「落ち着いた?」

黒のタイトなスーツに青のネクタイを締めている、さっき手を伸ばしてくれた人が、しばらくして僕の呼吸が落ち着いた頃合いを見て聞いてきた。

一応、頷いてみせる。

「そっか…大丈夫?」

大きな瞳で、僕の顔を覗き込む。

かっこいいけど、性別不詳だな…。



「…はぃ…うッ…」

また、吐き気…。


「どしたん?気分悪いんか?」

今度はの緑のネクタイをしている人が後ろから顔を出した。


「ちょっと…気持ち悪いです」

さすがに今会ったばかりの人に、さっきの人に鳩尾蹴られたなんて言えない。

「吐き気とかするん?なら、これ…、吐き気止め。飲んで?あー、誰か、水持ってへん?」

「さすが爽二。ま、水なんてねーけどな」
赤いネクタイの…僕より少し大きくて、僕より男らしい人が言う。

「飲みかけの水ならあるけど…これでいいかな?」

「大丈夫、です…」

爽二という人に貰った吐き気止めを青の人にもらった水で飲む。

これで、良くなるといいんだけど。
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