掌編小説集

363.お礼を言わなきゃいけないかしら、こんな寒い中待っててくれたのだから

漆黒の闇夜に舞い散るは
穢れ無き純白の雪


それを一辺の隙間もなく染めるのは
溢れ出す緋色の鮮血



彼等の目を欺く為に用意した

死装束としては無様な衣装と
死に花を咲かせる為に構築した小細工



裏切り者の死に場所には上等かしらね
< 363 / 590 >

この作品をシェア

pagetop