掌編小説集

*391.握り締めた拳に赤が滲んでも

掴む裾に込めた気持ちへ



離れるなと言ったくせに




涙を掬えないなら


心を救えないなら




自ら離れる理由なら作ってしまったから



傍に居れない理由なら貰ったから
< 391 / 590 >

この作品をシェア

pagetop