掌編小説集

410.離せない

伸ばされた手を、



抱き締められた体を、




振り払うのは慣れている





だけど、





伸ばしてしまった手と掴んでくれた手を、



抱き締め返されたぬくもりを、








離すことなんて、出来やしない
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