煙草とキス




「すいませんっ!遅れちゃって…」





ここは、代官山の洒落たカフェ。




最近人気の隠れ家風カフェで


ランチタイムには、これまた洒落た人々がお喋りやランチにいそしんでいる。




あたしはそんなカフェに


恥ずかしくも、息を荒くして入った。







「ううん、気にしないで」





時間に遅れているのに気付いて、駅から走ってきたあたしは


顔も赤くて、汗も流していたかも。




けど、久しぶりに会ったひかりさんを見たあたしは、暑さも疲れも忘れた。



ひかりさんは、本当に驚くほど


綺麗になっていたのだから。






「ひかりさん……
すっかり大人の女性になってる…」




「やだ、失礼ね!
私は東京にいたときから大人のフェロモンたっぷりだったと思うけど?」




「そ、それは……。
でも本当に綺麗になってる」






ひかりさんは、相変わらずの冗談を


変わってしまった綺麗な姿で話すものだから、なんだか面白かった。






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