優しい君に恋をして【完】

繋がり






次の日の朝、


目が覚め、ベッドで体を起こすと、


ベッドの上にも床にも服が散乱しているのが目に入り、


がっくりと肩を落とした。


昨日の夜、クローゼットの中をごそごそと引っ張り出して、

着ていく服を悩んだまま寝てしまい、


このとおり......まだ決まらない。




だって、一着もない!女子力高めの服が!!



どれもこれも、パーカーやらTシャツやら、デニムやら......



ピンクなんて、一枚もない。



あぁぁぁ......こんなことなら、

もっとかわいい服を買っておけばよかった。



今更後悔してもしかたない、ていうか時間がない!!



とりあえず、スカートを探せ!スカートを!!



また、昨日の続きのように、クローゼットの中をごそごそと探して、


スカートを発掘。



これ買ったはいいけど、短か過ぎて、

一度も履かずにしまっておいたやつだ。



白いふわふわとしたチュールミニ。


とりあえず履いて見ると、



「み、みじかっ!!」




制服のスカートよりもだいぶ短い。



でも、優に少しでも女の子らしく見られたい。



うっ......うん。


よし、スカートはこれにして、上は......




ベッドの上に散乱した服を一枚一枚自分にあてて、



鏡で見て。



グレーのゆったりとした首周りの大きく開いニットに決めた。



本当は、ピンクニットの方が女の子らしいよな......


でも仕方ない。

とりあえず、片付けよう!!



部屋中に散乱した服を元に戻して、


急いで洗面所へと階段を駆け下りた。






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