じぇねれーしょん




いつもなら限界まで仕事をやっつけていく七緒だが、通常の何割も捗らないことを理由に少し早く切り上げた。


そして向かったのは記憶に残るリカのマンション。



……だって脅されているんだし。

とってつけたような理由で自分を鼓舞して、インターフォンを押す。




『揶揄っただけに決まってるジャン。本気にした?』



嘲笑うリカを想像した七緒は途端に怯んだ。


これじゃピンポンダッシュだ。と思いつつ、踵を返して走り出そうとした瞬間、扉が物凄い勢いで開け放たれた。




「………あ」



自分で呼びつけたくせに七緒がいることに驚いたようなリカの顔。


いきなり開いたドアに驚いて固まっていた七緒と目があって、リカの顔にパッと笑みが広がる。



「お疲れ様。」



満面の笑みでそう労われて、七緒の胸にきゅんっと痛みが走る。



カワイイッ。



忠犬のようなリカの態度にやおら警戒心を削がれた七緒は「入って入って。」と促されるままに中に踏み込んだ。



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