じぇねれーしょん
この間は慌てて通り過ぎただけのリビング。
対面式のカウンターキッチンには幾つかの酒瓶と、多様なグラスが並んでいて、その底には少量の液体が残っている。
「練習?」
「そ。特訓。経験が浅い分、数こなさなきゃね。」
「努力家ね。」
バーテンダーが違法だとしても、努力に対する評価は素直に言葉になった。
「ご飯は?」
スツールに七緒を座らせたリカはキッチンに回り手際よく作業しだす。
「夕方に軽く食べたわ。」
程なくして眼前にグラスが差し出された。
「キレイ。」
細身のロンググラスの中身は虹色の層で輝いている。
「プースカフェ。度数の違うアルコールを静かに注いで作るんだけど、失敗すると混じっちゃって層が上手く出ないんだよね。今日は上手くいったかな。」
リカは得意げに言ってついでというように、ナッツ入りクリームチーズのクラッカーの皿を脇に添える。