半分こ。


「風雅様ー。お城に帰りますよっ!!!」

明らかに彼は怒っている。

う゛。

りんはゾッとした。

「りん。この声って……。」

土方が焦りぎみに言う。

「そのもしかしてです……。」

りんは逃げようと踵をかえす

……のだが

「風雅様ーーっ!!!!」

時 既に遅し。


りんの目の前には
世話役の`隼人'が
鬼のような形相で立っていた。

「うわ。…隼…人…。」

りんが次の言葉を発する前に隼人が言う。

「何回も家出などするな、と申しております故、お戻り下さるよう……それに近藤さん達も風雅様を甘やかさないで下さいっ!!」

「…う゛ー。」

「行きますよ!!」

唸る新選組 隊士をよそに
わざとりんに明るく言う隼人。

「えー……。」

嫌がるりんに笑いかける隼人を見ると
従わざるを得なくなる。

笑顔なのに腹の中は
恐ろしいほど煮えくり立っているのを
彼女は知っている。

「じゃぁな、りんちゃん。」

近藤が手を振ると
皆は別れを惜しむようにりんを見た。

「また来るね~」


わざと大きな声で言った。

当然の事ながら
隼人は不快を覚えるのだった。




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