体育館12:25~私のみる景色~
周りの女の子たちは、突然現れた転校生に首ったけみたい。
そりゃそうだよね?
かっこよくて、バスケも上手で、そんな人が急に現れたら誰だって見ちゃうよ。
でも、私は佐伯先輩にしか興味わかないんだけどね?
今だってほら、こめかみのあたりから一筋汗を流して、サラサラの髪をなびかせてボールを放ってる。
ボールと一体感のある動きは、いつ見ても惚れ惚れする。
久しぶりに見たからかな?
特別光って見えるんだよね、佐伯先輩だけ。
「亜希ー! 見てるー!?」
「はっ……?」
ぼーっと佐伯先輩に見とれていると、みーくんが下から私を呼ぶ声がした。
手をブンブンと振って、なぜか何度も私の名前を叫び続ける。
周りから、「アキってだれ?」って嫉妬混じりの声も聞こえて、背筋が冷えた。
みーくんは、私を問題の渦中に引きずり込みたいんだろうか……。
でも、そんなことないよね?
だって今の顔は、バスケが楽しくて、その姿を見てほしいって言っているみたいだから。
私は周りのキツい視線が気になりつつも、みーくんに手をぎこちなく振り返した。