身代わり姫君の異世界恋綺譚
紅は馬鹿にしたような笑みを浮かべた。

――この子は本当に清蘭様の生まれ変わりなの? この落ち着きのなさはまるで似ていないわ。似ているのは顔だけね。

ゴゴゴゴ――ドーン!

ピカッ!

「イヤーッ!」

「真白。ここへ来なさい」

紫鬼が手招きした。

真白は素直に紫鬼の傍へ行く。

手首を掴まれてふわっと身体が浮いたか思ったら紫鬼の膝の中へ抱き込まれていた。

――紫鬼様……。

2人の姿を見て紅は顔には出さなかったがショックを受けた。

――まさか紫鬼様があんなふうに……。

顔を見合わせて微笑む紫鬼と真白。

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