身代わり姫君の異世界恋綺譚
「真白! 卑怯だぞ!?」

雷をこわがる真白を楽しんでいた清雅は紫鬼の腕の中にいるのが気に入らない。

「ベーだ!もう雷なんてこわく――」

強がって見せたその時、まるですぐ真上にいるかのようにつんざくような轟音が響いた。

ゴロゴロゴローーーーーーーーーー

「きゃーーーーっ!」

驚いて紫鬼の肩にしがみつく。

さすがの清雅もこの雷には驚いたようで一瞬黙った。

紅は立ち上がると「寝ます」と言って部屋を後にした。

――紫鬼様があの娘を抱いている姿など見たくないわ。

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