身代わり姫君の異世界恋綺譚
◇◆◇

「……っ……あ……」

紫鬼の唇が傷口に触れるたびに、真白はビクッと身体を震わせ声が出てしまう。

それを面白がっているような紫鬼はフッと笑う。

「な、なんで笑うのっ!?」

「いや、感じやすくなったな。女の身体になって来たのだろう」

「女の身体って……私は女ですっ!」

「そうだったな」

もう一度口元を上げた紫鬼は肩甲骨の痣に唇を付ける。

「あっ……」

真白が紫鬼から逃げようと身をくねらす。

「大人しくしろ」

――お、大人しくしろって……無理、無理だよ。

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