身代わり姫君の異世界恋綺譚
「清雅、もう大丈夫だから。ありがとう」

真白はいつもの場所に座ると言った。

やはり笑顔を浮かべている。

「もう大丈夫? 本当に大丈夫なのか?」

これだけニコニコされると空元気ではないのだろうかと不審に思う。

「うん。もう大丈夫。清雅、心配してくれてありがとう。牛車での言葉も嬉しかった」

『なあ……真白 私は2人が恋仲になってもまったく気にしないぞ?姉上はいないのだし誰にも気兼ねする事はない』

清雅が牛車で言ってくれた言葉は嬉しかったが、あの時は紫鬼の気持ちがわからずに戸惑っただけだった。

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