身代わり姫君の異世界恋綺譚
「穴も探さない。私……ここにいていい?」

「も、もちろんだ。真白っ!」

――これは紫鬼と何かあったに違いないっ! そうでなければ真白の気持ちが変わるわけがない。

そこへ桔梗が真白の朝餉の膳を持って来た。

桔梗が下がると真白は再び口を開いた。

「それでね? 清雅、何もしないでここに居させてもらうのは心苦しいから何かお手伝いさせて欲しいの」

「何を言っておるのだ」

清雅は大きくかぶりを振った。

「だって、何もしないでいるのは退屈だし。住まわせてもらっているのだから何かしたいの」

「う、うむ……では父上に相談してみよう」

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