身代わり姫君の異世界恋綺譚
「清雅の言っていることは合っている。お前は人より穢れを受けやすい そのような身体に物の怪が入り込めば普通の人間より取り返しがつかないことになってしまうだろう。私が退治したとしてもお前の身体を壊しかねない」

――普通の人間ならば物の怪を退治すれば身体は回復するが……。真白にとっては命取りだ。

「そ、そうだったんだ……知らなかった」

――穢れを受けても紫鬼が治してくれれば大丈夫だと思っていた。

「だからな? 真白は部屋で大人しく寝ていれば良いのじゃ」

自分の身体のことを知り、落ち込んでしまった表情になった真白の肩に清雅がポンと叩く。

「安心しろ。私の力がだんだんとお前の身体に入り、いずれは穢れを受けない身体になる」

紫鬼の大きな手が真白の頭を撫でた。

優しすぎるくらいに頭を触れられた真白は笑顔になった。

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