身代わり姫君の異世界恋綺譚
「真白を休ませなければ」

紫鬼が愛しい真白に変わった身体を抱き上げ消えた。

「父上、真白はどうなってしまうのですか?」

――まさか自分の姉が物の怪に変化(へんげ)しているとは思っても見なかった。

「そのうち真白は……」

「真白は? どうなるのですか?」

「……身体を静蘭に乗っ取られ、消滅する」

清雅は一瞬気が遠くなった。

「なんということを……」

清文は呟き、愕然としている清雅の肩に触れ牛車に乗せた。

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