身代わり姫君の異世界恋綺譚
紫鬼が出て行く後姿を清蘭は恨めしそうに見つめていたが、次の瞬間口元に笑みが浮かんだ。

『わらわのしもべたちよ。都を食い尽くすのじゃ』

目に見えぬ何かに向かって清蘭は呟く。

『そなたたちはわらわを怒らせおったな……』

その瞬間から都に物の怪が現れ始めた。

民を脅かし生気を吸っていく。

すぐに陰陽寮の清文の元へ連絡が来た。

「なんということだ……」

清文は陰陽師たちを緊急招集した。

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