身代わり姫君の異世界恋綺譚
「清雅に伝えて下さい。お前なら立派な陰陽師になれると」

「……ああ。そう言おう。わかった。紫鬼殿、今までありがとう」

涙で紫鬼の顔がぼやける清文は袖で涙を乱暴に拭くと、心を決めたような表情で清文は光の剣を真白の身体を抱きしめている紫鬼の心臓めがけた。

光の剣は身体を刺したという感覚はなくすーっと紫鬼の胸から真白の胸に通っていく。

次の瞬間、目を開けていられないほどの光が2人を包みこんだ。

清文はあまりの眩しさに袖で顔を隠した。

そして袖を外した時には眩しすぎる光はなくなり紫鬼と真白は消えていた。

あるのは真白が寝ていた布団だけ……。

「紫鬼殿……我々の知らない世界で真白と幸せに暮らせるのであろうか……」

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