身代わり姫君の異世界恋綺譚
合気道の心得がある真白だが、相手はガタイのいい少年。

この2人に身を守れるのか。

寒い冬なのに、全身から汗が噴き出るような感覚。

少年に肩をガシッと掴まれた真白は、自分の腕をぐるっと振った。

たいした力も入れなかったのだが、少年は地面に倒れる。

「いってぇ!」

倒れた少年はすぐに立ち上がり、真白を睨みつける。

もうひとりの少年は少し驚いた声をあげた。

「可愛い子ちゃんは、合気道が出来るんだ。でもそうは行かないぜ」

――この状況って、ヤバいよね。

逃げる間もなく、真白に倒された少年は、肩を強く押さえつけた。

少年の力は思ったよりも強く、真白は身動きが取れなくなる。

両腕を後ろでぎゅっと掴まれ、抵抗できない。


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