他人の彼氏
嫉妬心


・・・黒崎伸治がいませんよーに。



そう祈るように鍵を開け
中に入ると、


ベッドで静かに寝息をたてる
昨夜の彼女の姿があった。


その姿を見ると

自分の中で、
どうしようもない感情が渦巻き

苦しくて、辛くて・・・・


必死に、自分の荷物を詰め込み


急いで部屋を出た。



荷物を両手に抱え、
足早に歩きながら


たった数日で

これほど人を好きになれるという事に驚きもあるけれど、


自分自身の中に

嫉妬という感情が存在してた事を、初めて知り


どうすれば、この醜い感情がなくなるのか


考えて、考えて


忘れようとするのに・・・


彼女が寝ている姿が
頭から離れる事はなく


そんな光景が、脳裏をよぎる度に

苦しくて

逃げ出したくなる。




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