他人の彼氏
「ん?どうした?
あぁ、何が面倒なんだろうって
考え込んでんの?」


「はい・・・」


楓さんは鋭いんだろうか。



「だって、やよいちゃんと伸治の隣だよ?
あのアパート壁薄いし
二人のやらしー声とか聞こえて
居候ちゃんパンクしちゃうんじゃない?」



「え、それって・・・
どういう・・・」


もしかして、楓さんは

私が黒崎伸治に抱いてる気持ちを感づいてるんだろうか・・・



「べっつにー?
まぁ、自分を見失わないように
踏ん張んなさいよ」



やっぱり・・・・

気づいてるのかもしれない。


「あの・・楓さん」


そう楓さんに聞こうとした瞬間、


「たっだいまぁー
あれ、希
お出かけしたんじゃなかったの?
早かったんだね」


さやかさんが
少し酔っ払った様子で
帰宅し


「さてさて、22歳美女3人が揃ったとこで
飲み明かすとしようかー
希、ビール持ってきて」


私の人生初となる
女友達と朝まで飲むという
夢のような楽しい瞬間が幕を開け・・・



・・・・・・・・


「吐きそう・・・・・」


と、気分の悪さで目が覚め
トイレに駆け込むという

人生初の二日酔いも経験できたのであった。




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