他人の彼氏
「ふぅ・・・まぁ、いいけどさ。」


何も言えず
ただ、うつむく私の様子を見ながら
完全に呆れている・・・。


「んじゃー、帰る。
またね。
ほら、これ居候ちゃんのジュース。
お菓子は
全部食べちゃっていいよ。」


そう言いながら
ジュースを私の前に置くと

帰って行ってしまった。



楓さん、呆れてた・・・。



分かってるのに・・・



「何だ、この大量の菓子は?」


「あ、楓さんが・・」


「楓?何で?来たのか?」


「あーうん」


「何の用で?」


「え?あー・・・
ただ遊びに来ただけだから・・」


「ふぅん・・・・」


黒崎伸治を失うことができない。


自分から手離すことができない。


諦める事が・・・・


できない。






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