他人の彼氏
黒崎伸治の見えてきた部分
自ら身を引くことができない私は
そんな日々を過ごしながらも
求人誌を見ては
仕事を探し・・・・

少しでも
黒崎伸治と対等に
自立しようと奮闘しているけれど

そんな簡単に仕事が見つかるほど
世の中は甘くできていないようで、


「申し訳ありませんが
今回は・・・・」


という面接の結果の
電話に落ち込む日々を送っている。



そして・・・・・


朝早く、黒崎伸治の横で寝ていた私は

自分の携帯の

凄まじい音の着信音で起こされ

飛び起きるように起き
通話ボタンを押した。



「希?」


「・・・お兄ちゃん?」


「今日、そっちに日帰り出張で行くんだけど
時間とれないか?」


「大丈夫だけど・・・」


無職だし・・・。


「じゃあ、仕事一段落したら
電話するから」


「うん」


お兄ちゃんが
私に電話自体珍しいけど・・・

わざわざ会うっていうのは

初めてかもしれない。

会うの何年ぶりだろう・・・
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