他人の彼氏
「楓は、俺の親父の死んだ再婚相手の
連れ子ってやつで・・・
やよいは、親父の今の再婚相手の
連れ子っていう・・・
あー・・・意味分かるか?」



えーっと・・・・・
よく、頭の中で整理すると・・・



「楓さんとも、やよいさんとも
血は繋がってないけど
家族って事?」



「あー・・・まぁ、
簡単に言うとそうか・・
楓の母親が死んで
4年くらい前に再婚した女が
やよいの母親ってやつで・・
まぁ、そういう事だ」



え?でも・・・・・



「やよいさんって人は
彼女・・・なんじゃ?」



「・・・・彼女か。
妹なんだけどな・・・」


そう呟くように言いながら
大きくため息をついた。


「意味分かんない・・・」


「再婚した時な。
俺、まだ16かそこらで
ろくに家とか帰んなくて
遊びまわっててさ。
久々に家に帰って
部屋で寝ようとしたら
知らねぇ女が部屋入ってきて
誰だって聞いても答えねぇし
けど、俺の名前普通に知ってるから
誰か分かんねぇまま
その・・・まぁ、やっちまったら
それが
やよいだったわけで・・・
再婚した相手の連れ子だったって知ったのは
そんな出来事の次の日でさ。
もう、その瞬間
やべぇな・・と思って
そっこーで、楓に電話したら
なるようになるとか適当な事言うから
そっから・・・
ダラダラと切る事もできないまま
今現在ってやつ。
まぁ、やよいの事だけじゃねぇんだけど
もうダルくなって
楓のアパートに転がり込んだんだけどな・・」


時折、思い出すように
そう静かに話すと

考え込むように頭を抱え
下を向いた。








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