他人の彼氏
黒崎伸治とやよいさん
「あー・・・・わりぃ、
意味分かんねぇだろ。」


頭を掻きながら
ため息混じりにそう言うと


「ちゃんと、話す」


そう一言言うと
室内へ戻り
座り込み



「どっから話すかな・・・」



頭を抱えたように
うつむき考え込んでいる。



しばらく、そのまま
沈黙が続き


私の方へ顔を上げると、



「俺ん実家、ちょっと
複雑なんだけど・・・」


そういえば・・・・
楓さんが、最初の頃
そんな事を言ってたっけ・・・



じっと、黒崎伸治の顔を見ながら
静かに頷いた。

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