他人の彼氏

「ほら、俺の特等席貸してやっから
座って おとなしく待っときな」


そう言いながら

特等席という名の
一斗缶を貸してもらい
座ってしまってる自分は

こんな事してる場合じゃないのに。

とか考えつつも

通行人の人達を
ぼーっと眺めている。



「お嬢ちゃん 学生さん?」


「いえ・・・・」


「もしかして急いでた?」


「いえ・・・・」


「そか、ほら 出来たぞ」


出来立てのたこ焼を目の前に差し出されてるけれど・・・・


「あの・・・ここって
お皿で出すんですか?」


普通 使い捨て容器に
入れてるような記憶があるんだけど。


「んなわけねぇじゃん。
それは 俺の皿。
急いでないなら
ここで食ってけばいいだろ?」


「あー・・・はい・・
あ、いくらですか?」


「ん?特別価格で
2千円でいいや」


また ぼったくりに
遭遇してしまったのだろうか・・・



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