その男、小悪魔につき。【停滞中】


その後、休んでから完全復活した私は叫んだり笑ったり目まぐるしい一日を過ごしていた。



「次はー、あれっ!あれに乗ろうよ」


閉園間近になってきて、マップを手にして走り出そうとすると、パシッと手を握られる。



「このまま野放しにしてたら迷子になりそうなんで」



「の、野放しって……ごめんごめん。久しぶりにこういう所に来たからつい。ふふっ、良い大人なのにね」



すると千尋くんは手を一旦離して、指を絡めるように握った。



「楽しんでくれて良かったです。それに何か俺、彩月さんといると楽しいから」



「……っ」



ずるい。



そんなことを言われたら…。



「彩月さん?」



「あ、えっとこれに乗ろう!うん!」



赤くなる頬を見られないように適当に指を指す。



「観覧車が良いんですか?」



「え、観覧車……?」



しまった!


こんな密室空間を何故選んだんだ……










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