我等オカ研特捜部
 谷口がカメラで写真を撮り大いにその場は盛り上がった。

 二人はカメラに写らなかったが。

荒木
「よしっ次は俺の番だな」
 
 荒木は言うと、釜を取りだし境内の手洗い場で米を研ぎだした。

タタミ
「米や!米や!」

アヤメ
「えらいこっちゃ米や!」
 
 谷口は荒木の鞄からブロックを取りだし炭をセットした。
 
 先走ったアヤメは口から火を吹き炭をおこした。

荒木
「炊き上がるのにちょっと時間かかるけど。
 
 これ一袋盗んで持ってくるのだけ大変で、うち米屋やってまして」

アヤメ
「ええ商売やなーしかし久しぶりやわ普通のまんまは」

タタミ
「ええ匂いやわーゼロの兄ちゃん大好き」
 
 荒木は本気で照れていた。

荒木
「有名な店の漬物もありますよ」
 
 荒木はタッパーを出した。
 
 鬼達は恍惚の表情を浮かべて荒木の肩を叩いた。

小山
「じゃあこれで一杯やりますか?」
 
 私は勝手に持ち出した梅酒を取り出した瞬間、隊長とゼロが笑った。

谷口
「おいおい頼むよーったく」

荒木
「タタミちゃんは子供だぞ?」

タタミ
「うち245才、宜しく」

谷口・荒木
「おっおーう」

 アヤメはしくしく泣いていた。

小山
「どうされました?梅酒駄目でした?」

アヤメ
「本当はお腹空いてしょーがなかったし、あんたら食べようと思ったんやけど、ここまでされたらよう食べれんわ」
 
 三人はぎょっとした。

 それをタタミが読み取ったようだった。

タタミ
「これからも来てくれる?」
 
荒木
「おっ?炊けたわ、また米持ってくるな?」

 荒木は鬼の境遇に涙を流していた。

 意外にも優しい奴だ。

谷口
「米だけだったら何だな!
 
 餅とかパンとか、オーブントースターもいるよな?」

小山
「マグカップ買って来たんですよお揃いの!」

アヤメ
「おおきに!ほんまおおきに!

 こぶが出来たらゆーてや、何時でもとったるさかい」

谷口
「こぶとりじいさん真実だったーーー!」

 その後私達三人と二匹は漬物パーティーではしゃいだ。
 
 アヤネさんは本気で反省していたらしく私達に自分の大切な髪をまたくれた。

 どうも妖力が込もっているらしい。

 しかも今回のは強めらしい。

 今は誰からも襲われないから安心して暮らしているので、誰にもここの事を話さないという事を約束し、二週間に一回は来る約束をした。
 
 お腹が空くのでは?と聞いたが、長命な鬼にとって、あまり私達が来ると死んだ時寂しいかららしい。
 
 それも三人の涙を誘った。


 新しい奇妙な友達が出来た事が私は何より嬉しかった。
 
 
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