我等オカ研特捜部
 第四校舎は正門から一番遠く、最新の設備が整えられた教室があった。

 高い機材がある為に各教室には鍵がかけられていたので普段生徒は入れないようになっている。

 その為生徒は放課後にそこへ近づく事はまずなかった。

 岡田はいつもここで業務作業を行っている。

 職員室で仕事をしないので先生達からさえも変わり者だと思われているらしい。

 私達が扉を開けると作業を行っていた岡田先生が鋭い目付きでこちらを見た。

谷口「ちわっす」
荒木「ういっす」
小山「失礼します」

 岡田は私達に気付き立ち上がるとこちらへ向かってきた。

岡田
「二年の奴だな、たしか小山だな?」

小山
「すいませんお仕事中にこれを出したかったので」

 そう言って私は入部届けを出した。

岡田
「それは担任に出すと書いてあるだろう?」
 
 さらに目付きが悪くなった。

荒木
「これは笑っている時」

小山
「はっ?」

岡田
「入るのか?」

小山
「ええ駄目ですか?」
 
 岡田の目がまた鋭くなった。

谷口
「これも笑っている時」

小山
「へ?笑っている様には見えないけど」

岡田
「…?良く見ろ笑ってるだろう?」

小山
「すいません分かりません」

荒木
「ははははっ俺達も最初は苦労したよ」

谷口
「分かりずらいよなーはははは」

岡田
「またか」
 
 訳のわからない私に荒木が説明してくれた。

 岡田は感情を表に出さないのでは無く、感情が出にくいらしい。

 いちいち説明するのが面倒臭く部員である谷口と荒木には話したらしい。

 しかもこの教室の鍵を勝手に複製を作って無断で使用しているとの事であった。

 理由は早く仕事を終わらせて奥さんに会いたいかららしい。

 職員室では話しかけられて仕事がはかどらないそうだ。

岡田
「あいつらは回りに話してくれなかったからな。

 普通の生徒からは誤解を受けているようだが」

荒木
「話す奴がいないだけです」

谷口
「実は教師の中で一番破天荒で優しいんだぜ」

岡田
「小山、合鍵作ったって知ってるみたいだが、誰にも言うなよ」
 
 岡田の目がまた鋭くなった。

小山
「今のは笑ったんですね?」

岡田
「今のはただの脅し」

小山
「分かりずらい」

岡田「…」
  
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