我等オカ研特捜部
 オカ研の二人に会った次の日、私はまたしても放課後に校舎裏に向かった。
 
 真奈美はあまり感心が無いようで、昨日話していた事をすっかり忘れていた。
 
 私は意外と楽しみにしていたので足早になり二人より早く着いてしまった用で、教えられた手拍子をしても反応が帰って来なかった。

「早いですな」
 
 荒木が目も会わせず地上から秘密基地に伸びる雨の排水パイプに向かった。
 
 排水パイプの出口から伸びる紐を引っ張ると上から縄梯子が降りてきた。

小山
「初めはどうやって登ったん?」

荒木
「えーっと隊長がこのパイプを伝っていったんだよ、さあどうぞどうぞ」

小山
「下に短パン履いてるけど見られたくない、先に行って」

荒木
「べっ別に見ようとした訳じゃないし、レディファーストだと思ったから」

小山
「霊感はゼロだけど下心は百やね」

荒木
「うるせーよ!

 だから本当に違うって。
 
 あと俺が登ってからもばれない用に回りに気をつけて登れよ。
 
 二人同時だと縄が切れるし」

小山
「あんたよりは痩せてるけどね」

荒木
「なんて嫌な奴だ!」

 二人は基地に入ると谷口の話題になった。

小山
「谷口遅くない?」

荒木
「あーっと隊長は掃除当番だったから」

小山
「サボりなさいよ」

荒木
「俺達は見た目通りクラスじゃ大人しいんだよ」

小山
「イケてないグループって事?」

荒木
「友達はまあいねーけど、てか認知すらされてねーよ」

小山
「谷口ってあんたと違って霊感とかあんの?」

荒木
「ゼロって呼べよ、隊長はここだけの話しかなりの怖がりなんだよ」

小山
「怖がり?それなのにオカルト好きなわけ?」

荒木
「怖がりだから、お化けに会った時の対策を調べまくってるんだよ」

小山
「何それ?めっちゃ小さいな?ハハハ!」

荒木
「しょーがないんだよ、怖い思いしたらしいんだ」

小山
「ふーん、じゃああんたは何で?」

荒木
「俺は友達いねーからだよ」

小山
「せつなっ」

荒木
「お前だって、一年の男子とからんでんじゃねーか、友達いねーんだろ?」

 「パンッパンッ」

 隊長こと谷口の手拍子だろうか?

小山
「あんたよりはいます、梯子おろして来なさいよ」

荒木
「ゼロって呼べよ」
 
 荒木が梯子を下ろすと谷口が顔を出した。

谷口
「やあご両人、オカルトしてるかね?」

小山
「百から隊長の話しを聞いてた」

谷口
「百?」

荒木
「何でもない何でもない」
 
 荒木は私をきつく睨んだが私は鼻で笑い飛ばした。

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