愛しさを抱きしめて
夢…か、と思いながらベットから起き上がった。
父の自室の明かりがついていることに気付き、父の自室ヘ向かう。
コンコンコンと3回ノックしてドアを開くと、父がパソコンに向かって仕事をしていた。
「起こしてくれればいいのに…」
お腹減ったでしょ?、とわたしがそう言うと父はニコリと微笑んだ。
「あまりに綺麗に寝ていたからね、今日は外で食べよう」
服を着替えてきなさいと言いながらパソコンを閉じる父。
コクリとうなずき、父に自室から足を後にした。
「いつものでいいか?」
お店に着き、席につくときに父が椅子を引いてくれた。
「うん」
桜色の半そで、ベージュの短パンにサンダルを履きふわりとなっている服装。
料理が運ばれ二人で食べていると、父が顔を上げた。
「ちゃんと仕送り使っているか?」
父は海外へ仕事をすることが多く、わたしのために毎月仕送り金を送ってくれる。
「もぅちょっと少なくても…」
料理を口に入れるのを止めて言うと、父は苦笑いしながら言った。
「傍に居ることが出来ないから、出来ることはしたいだけだから気にすることはない」
そう言いながら料理を口に含んだ。
わたしは諦めて父と同じ料理を口に入れた。