傍観者
孤独な傍観者

ずるいね、すごいね、人って。

他人の痛みも見て見ぬフリで、自分の弱さを棚に上げてそうやって笑うんだ?

すごいな、こわいな、人って。

自分の手は直接汚さず全て誰かのせいにして、しまいにはこの世の中せいだなんて

どうしてなの?
本当は誰よりも傷つく恐さを知っていて
傷つけられる痛みも知っていて
なのにどうして……

なにも知らない顔をするの?

自分のため?周りのため?

あなたは損得で動く人間ですか?

他人の痛みに寄り添えない欠陥のあるロボットですか?

違うはずだよ。

あなたは……あなたは

心のある人間でしょう?

ならどうして?どうして……

こんな悲しい世界にするの?

こんな寂しい世界にするの?

一人ぼっち?違うよ。

あなたがそれを望むから独りぼっちになるんだよ。

人はずるくて汚くて醜い生き物だって誰かは言う。

でも違うだれかは

人は優しくて暖かくて尊い生き物だって言うんだよ。

この違いが何処にあるかあなたにわかるだろうか?

僕はわからない。
分かるけどわからないフリをしたい。

この世界にね、無情の愛があれば僕らは汚れずにすんだかもしれない。

でも仕方ないんだ。

僕らはちっぽけな人間だから。


すごいね、ずるいね、人って。

どんなに人を憎んでも、また人を愛してるんだもんね。

不思議で不可思議でだからこそいとおしいんだ。


だからこそ愛したくなるんだ。
もうやめよう、傍観者は。


めいいっぱい息を吸って歩いてゆこう。

僕はもう傍観者じゃない。

そう胸を張って言える日が近い事を願うんだ。


さようなら、孤独な傍観者たちよ。
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