生徒会の恋愛事情


あたしはドアノブから手を離す。


弥先輩の声を聞いて…あたしは思わず帰りたくなった。


昼休みに会った弥先輩が思い出されて、会うのが凄く怖かった。


それは弥先輩が怖いんじゃなくて、弥先輩の顔を見た時の自分が怖かった。


「ったりめーだ!
華羅!
行って来い!」


勇也先輩の力強い声が聞こえた。


「そうだ、華羅姉!
せっかくなんだから行かねえと。」


光唆も賛成している。


「初めての海外って戸惑う事多いだろうけど、しっかり頑張ってきてね。」


小百合先輩の優しい言葉。


「うん。
思いっきり楽しんで来てね!」


香里奈先輩も、華羅お姉ちゃんのこと励ましてくれてる。


「…」


この雰囲気、やっぱり入りにくいかも…


あたしはドアの前で佇んでしまった。



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