生徒会の恋愛事情


入らなきゃと思う気持ちと、入りたくないという気持ちが入り混じる。


やっぱり今日は帰ろうかな。


ドアに背中と頭をくっつけて、そう思った時である。


「その後、沙羅ちゃんの様態について知っている人はいますか?」


弥先輩の声が中から聞こえた。


「…」


あたしの話だ。


「俺、休み時間に保健室行きましたけど、沙羅は寝てるからって蛇持先生に追い返されました!
放課後にも行ったんすけど、同じ事言われて。」


光唆が答えた。


来てくれてたんだ…


全然知らなかったな。


「そうですか。
眠っているなら仕方ないですね。
早く良くなるといいんですが。」


違う。


本当は違うの、体調が悪いわけじゃない。


実は嘘でしたなんて言えないけど、本当は…


気付いたら、あたしはまたドアノブを握っていたんだ。



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