生徒会の恋愛事情


華羅お姉ちゃんは弥先輩が好き。


弥先輩は華羅お姉ちゃんが好き。


そして…光唆はあたしなんかを好きだと言ってくれている。


それで、弥先輩は光唆の気持ちを知る事になる。


一瞬、光唆の想いにすぐに応えた方がいいのではないかと考えた。


でもやめた。


今そうする事は、光唆を弥先輩の代わりにする事だから。


「…」


あたしは自分の家へと向かい始めた。


今、光唆に返事できる事はできない。


でも、あたしの想いも報われない…


それなら、潔く諦めよう。


あたしはそう決意した。


そうしたら、また涙が溢れてくる。


それでもあたしは、もう立ち止まらなかった。


あたしの決断は、涙で溶かしちゃだめなの。


もう日は傾いて、殆どが地平線の向こうに隠れている。


そして数秒後、その姿は消えてしまったんだ。



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