生徒会の恋愛事情


「…ごめん。」


光唆が俯きながら謝る。


「…」


その言葉にさえ、あたしは答えられなかった。


「…でも、俺の気持ちは…変わらねえから。
今すぐじゃなくていいから、返事聞かせてほしい。」


「…」


「あと、弥先輩には俺からっちゃんと話しておくから。
弥先輩は今のこと誰にも言わねえだろうけど…俺ら付き合ってるとかじゃねえのに、誤解されるのはよくねえから。」


「うん…」


「…じゃあな。」


光唆の行ってしまう。


道にはあたしが一人立っているだけとなった。


…弥先輩、あたしと光唆が付き合ってるって思ってるのかな?


光唆はちゃんと説明してくれるだろうけど…あたしが光唆のこと意識してるとか思っちゃうのかな?


違う…あたしが意識しているのは…


また泣きそうになるのを、あたしはぐっと我慢した。
 

「弥先輩…」


読んでも届かないのに、その名は口から洩れてしまう。



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