生徒会の恋愛事情


「うん。
沙羅ちゃんの思ってる事は普通だと僕は思う。
幼馴染から告白されたら戸惑うし、好きになれなくても変に意識してしまう。
相手のことよく知ってるから、返事をするのが怖くなるだろうし、今まで築いてきた関係がなくなってしまうと考えてしまうのも当然だと思う。
実際、完全に元の友達に戻れるとは僕は思わない。
それは…告白した時点で、多少は崩れてしまうから。
だからこそ、付き合えないなら、新しい友情を築いていきたい。
信頼関係を一から作り直していけたら、また違う友情が生まれると思う。」


「違う友情…」


今は想像出来なかった。


昔から仲が良かった、あたしと光唆。


今更関係が変わるなんて…やっぱりそう考えてしまう。


でも、変わるって言いても、弥先輩の言う変わるという事は、全てが変わるってわけではないと思った。


お互いの良いところも悪いところも色々知っている。


どんな人間かも分かってるつもりだ。


その中で、もう一度仲良くなっていったらいいのかな?


思ってる事全部話して、聞いて、それからまた毎日会って、話して、笑いあえるようになったら、弥先輩が言った”新しい友情”が出来るのかな?


新しい友情っていうのがどんなものか、今とどれだけ違うのかは全く分からないけど、もし出来るなら…作っていきたい。


光唆なら、きっと分かってくれると思うから。


想いは受け入れられないけど、大事な人には変わりないから。


「実は僕も、新しい友情を築きたいと思う人がいるんだ。」



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