生徒会の恋愛事情


だけど、不安な事が一つだけあった。


あれから光唆とまともに話をしていない事だ。


つまり、彼に何も言えていない。


…弥先輩からアドバイスまで貰ったのにな。


でも、実際に何て言えばいいか分からなくて、そして話すタイミングも掴めなくて、結局は放置している。


「…」


言わなきゃ。


光唆だってあたしの返事を気にしていると思う。


あたしは光唆をちらりと見た。


今日は光唆が見回りの当番だから、彼は学校に残るだろう。


それは香里奈先輩も同じだ。


あたしと光唆が2人で話すには…


「じゃあまた明日な!」


勇也先輩達が帰っていく。


残っているのは、香里奈先輩と光唆、職員室に用事があるという聖也先輩、そしてあたしだ。


「…光唆!」


あたしは彼の名を呼んだ。



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