生徒会の恋愛事情


弥先輩のしなやかな手が、あたしの手を包み込む。


怖いものからあたしを守ってくれるみたいに。


弥先輩は歩き出す。


あたしは弥先輩に連れられている子供のように、少し後ろを歩く。


先程までも弥先輩の後ろを歩いてたのに、今とさっきじゃ気持ちが全然違う。


怖くない。


左手から伝わる弥先輩の温もりが、恐怖を溶かしてくれるから。


「弥先輩…」


「どうしたの?
歩くの速い?
それとも、もっと急いだ方がいい?」


「そうじゃないんです!」


ドキドキして、心臓には負担が掛かっているけど、今は…弥先輩が一緒だから怖くない。


「あたしのこと気遣って下さったのに申し訳ないんですけど…弥先輩さえよければ、最後まで行きませんか?」


「無理しなくていいんだよ?
仕掛けた人が仕掛けた人だから、最後に腰抜かしそうな何かが待ち構えてそうだし。」


それは、ちょっと嫌だけど…


「あたし、今は怖くないんです。
自分でも驚いてるんですけど。」


「じゃあ、写真撮りに行こうか。」


「はい。」



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