生徒会の恋愛事情


詳しい事聞きたかったけど、香里奈先輩は教えてくれなかった。


小学生の頃の話だと、小百合先輩が数日後にこっそり教えてくれたのは、それこそ内緒の話である。


そんなこんな生徒会の男性陣の話をしていたら、夜中の2時を回っていた。


そして今、話題が少しずつ変わろうとしている。


「って事は、今は3人とも彼氏いないんですね。」


「みたいね。
香里奈ちゃんと沙羅ちゃんは好きな人とかいないの?」


「あたしは全然。
っていうか、最近周りの男子を見ている余裕もないですし。
文化委員の人と生徒会のメンバー以外の男子と話した記憶が数ヶ月ぐらいないですもん。
沙羅ちゃんは?」


「あたしは…」


話を振られた瞬間に、浮かぶ顔があった。


だけれども、弥先輩が好きだと言う勇気はあたしなはない。


どころか…色んな事を考えると、あたしがそう主張する権利はあるとは思えなかった。


でも、あたしが言いよどむ時間が長かったようだ。


「沙羅ちゃん、いるのね!」


小百合先輩があっさりとそう言ったのだ。


「そういえば、前に言ってたね!」


香里奈先輩もそう言ってくる。



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