生徒会の恋愛事情


「ありがとう、沙羅ちゃん。」


弥先輩は柔らかく微笑んだ。


憑き物が取れたような、穏やかな顔だった。


「行くよ、皆と一緒に。
それで、皆にお土産買ってくるよ。」


「ありがとうございます。」


弥先輩達の修学旅行行きが決まったのは、1週間後のことだった。


生徒会で決めて、先生達も説得した。


先生達はビックリしたみたいだけど、学年全員で行ける事を喜んでいるんだって。


あと、弥先輩は勇也先輩と香里奈先輩のお家にも許可取りにいったらしい。


行かないのが当たり前だからこそ、ちゃんと説明しなきゃって事みたいだ。


なんか修学旅行一つで凄い規模の話になってビックリしたし、逆に迷惑かなって心配にもなった。


でも、2年生役員全員喜んでくれてたし、お姉ちゃん達のクラスの人も皆喜んでるって聞いたら、心配な気持ちはなくなった。


それに…


「沙羅ちゃんが僕や生徒会、学校を変えてくれたんだよ。
ありがとう。」


弥先輩が、決定した日の帰り際にそう言ってくれた。


…ちょっとは役に立てたのかな。


そう思うと、あたしも嬉しくなったんだ。



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