生徒会の恋愛事情

華やかな場で



「華羅お姉ちゃん、あたし達って何処にいたらいいの?」


「うーん。
分からない。
とりあえず、顔見知りを探そう。」


あたしと華羅お姉ちゃんは今、神崎家主催のパーティーに来ています。


朝から弥先輩の家に行って、絵恋さん指導の下、ドレスアップした。


それから絵恋さんと一緒にパーティー会場まで来たまでは良かったんだけど、絵恋さんが誰かに呼ばれて行ってしまったため、あたし達は路頭に迷うようにキョロキョロしているのだ。


「そうだね。
生徒会の誰かがいたら…そういえば、光唆は?」


「光唆は弥が変身させてここまで連れてくるって言ってたけど…見当たらないね。」


見当たらないと言っても、会場内を隅々まで探せばいる可能性は高い。


でも、その会場が広すぎるのだ。


手分けして探すのが一番効率が良いが、一人になるのが怖いあたし達は、共に会場内をゆっくりと移動する事しか出来ないでいた。


そうこうしている内に、明るかった会場内が急に暗くなり、前方のステージだけが煌々と輝く。


そこには一人の男性がいて、話し始めた。


「本日はお忙しい中、我が神崎家主催のパーティーにお越しいただき…」


あ…弥先輩のお父さんだ。


そっか、代表だから挨拶してるんだ。


もしかしたら、ステージの近くまで行ったら、弥先輩に会えるかな?


あたしの胸は、そんな期待に膨らむ。


だけど、この暗い人混みを、前方の証明だけを頼りに進むのは困難だった。



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