生徒会の恋愛事情


我慢するつもりだった。


でも…


「弥先輩!?」


「…ごめんね、何も出来なくて。」


先に抱き締めたのは弥先輩だった。


あたしを全てのものから守るように、ギュッと包み込まれる。


欲しかった温もりは嫌な気持ちを溶かしていく。


でも不安が全部消えたわけじゃない。


「そんな事ないですよ。
それより誰かに見られたら…」


「構わないよ。
見られても、誰かに避難されてたとしても、絶対に沙羅ちゃんのこと守るから。
これ以上沙羅ちゃんが傷付くような事は起こさない。
だから…」


無理しないで、もっと甘えて


耳元で囁かれた最後の二言が、溜まっていたストレスを流していく。


凍えそうな1月の夜、頭の先から足の指先までの全てが熱く感じられる。


弥先輩の心に素直に甘えたくなる。


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