生徒会の恋愛事情


「今日だけじゃないけど、今日の僕は特に沙羅ちゃんに何もしてあげられないから…頼りないよね。
でも頼ってほしい。
僕に出来る事なら本当に何でもするから、沙羅ちゃんの負担が軽くなる事、全部教えてほしい。」


思ってもみなかった言葉が次々と紡がれる。


そんな事思ってくれてるだけで随分と楽になれるというか、胸に迫るものがある。


愛されてると実感出来る。


「そう思ってくれるだけで十分なんですよ。」


「でも沙羅ちゃんがこんなに傷付いているのに…」


「でも今日、弥先輩が話を聞いてくれて、一緒に悩んでくれて、こうやって大事にしてもらって…十分過ぎるんです。」


あたしは抱き締められたまま、弥先輩の顔を見る。


「それが幸せなんです。」


「当たり前の事しかしてないよ。」


「当たり前の事でも、弥先輩にしてもらえるから嬉しいんです。」


他の誰よりも、好きな人が一番、きっとそういう感じ。


そんな事言ったら、弥先輩が顔を真っ赤にして、あたしの後頭部に手を回す。


視界が真っ暗になったと思ったら、弥先輩の胸の中にいた。


「何かあったらすぐに言うんだよ。」


「はい。」


そのまま頭をポンポンと優しく撫でられるのがとても心地よかった。



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