生徒会の恋愛事情


「…そういう家だからね。
沙羅ちゃんはもう気付いてると思うけど、僕の家って皆、例えば僕たちの高校の子が住んでる家より大きいよね。
それは緊急時に親戚同士で集まれるように。」


「緊急時?」


「そう。
今まで緊急の用件で集まった事はないんだけどね。
沙羅ちゃん、神崎生命って聞いた事ある?」


「ありますよ!
あたしの姉も入ってますし…」


そこであたしは気付いた。


っていうか、どうして今まで気付かなかったんだろう?


「弥先輩って…」


「そう。
神崎弥の’神崎’は、神崎生命とか、神崎銀行の’神崎’。
で、さっき言ってた従妹なんだけど、苗字が桜ノ宮って言って…」


「…もしかして、桜ノ宮ブランドですか?」


「正解。」


桜ノ宮ブランドって言えば、洋服やジュエリー、バッグで有名な世界でも有名なやつだ。


どうやら、弥先輩の家はあたしの想像をはるかに超える程の大金持ちだったらしい。


「一応、学校の皆には内緒にしてるんだ。
黙っておいてくれる?」


「弥先輩が隠したいなら。
でも、どうしてうちの高校にいるんですか?
私学の高校とかに通ってそうなのに。」



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