生徒会の恋愛事情


「華羅は何も悪い事はしていない。」


「いいえ。
我が儘言って、しかもいきなり挨拶もせずに出て行って…本当にすいません。」


「出て行ったのは俺が言い過ぎたからだ。
しかも華羅にでなく沙羅にな。」


そう…あたし、妹にまで迷惑かけちゃったんだよね。


マジで駄目だ、あたし…姉失格だ。


「…沙羅がこれ以上何か言われるのが嫌だったんだろ?」


聖也先輩はあたしをまっすぐに見て言う。


何かもお見通しだと目が語っている。


「沙羅をいじめる気はなかった。
ただ…どれだけ本気か試したかったんだ。
来年は幹部だからな。」


「幹部…」


「ああ。
来年は俺も小百合もいなくなるからな。
あと、勇也も。」


「勇也は役員に残らないんですか?」


あたしは驚いた。


てっきり来年は弥と勇也が残ると思っていたから。


「あいつの成績知っているか?
この前の中間で、とうとう学年最下位を取ったんだぞ。」


「犬山の御曹司が学年最下位はちょっときついですね。」


「だろ?
来年はみっちり勉強させる。」


勇也のことだから、一週間で音を上げそうだと思ったのは、内緒の話である。


「じゃあ香里奈と弥が?」



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